ババン時評 変わるべきは韓国だ

 

やはり韓国はやっかいな隣人だ。読売新聞(6・12)によると、同紙と韓国日報の共同世論調査では、日韓両国の8割超の国民が、日韓関係は「悪い」と答えた。対韓感情の悪化の背景には、同紙社説(6・12)が指摘するように、韓国による「歴史蒸し返し」への苛立ちがある。

文政権は、元慰安婦支援財団の解散を一方的に決めた。韓国最高裁は、日本企業に元徴用工への賠償を命じた。韓国海軍による海上自衛隊機へのレーダー照射事件でも韓国は逆に日本の非を鳴らして事実関係を認めていない。日本通のはずの文喜相韓国国会議長は天皇陛下に元慰安婦への謝罪要求を突き付けた。文氏は、訪韓中の鳩山由紀夫元首相に前言を翻して謝罪した(読売6・14)というが、気軽な鳩山さんだからこのへんで気軽に謝っておこうと思ったのかもしれない。これは茶飲み話レベルであり、公式の謝罪ではないし本心とも思えない。

共同調査では、慰安婦問題で日本がさらに謝罪すべきかどうかについて、日本では「必要はない」、韓国では「必要がある」、元徴用工の問題でも、日本政府の主張を、日本では「納得できる」、韓国では「納得できない」と、いずれも8割台で正反対の結果になっている。なぜこうまで日韓国民の意見が真っ二つに割れるのか、理解に苦しむところだ。

文大統領は、去る3月の「三・一独立運動」100周年記念式典で、「朝鮮半島の平和のために日本との協力を強化する」と宣言して日本を驚かせた。今月6日には、「愛国を前にして保守も進歩(左派)もない。社会を二つに分断する時代は過ぎ去った」と、国会で演説した。左の文大統領も、左右の板挟みや日韓関係の損得勘定やらで、定見もなく腰が定まらない。

日本から見ると韓国は、歴史を直視せず都合よく歪曲する。政権が替われば国家間の約束を反故にする。こんな国が相手では、レーダー照射問題でも、あきれた日本側がサジを投げて無視するという大人の対応に出ざるを得なかった。しかし韓国はこれを「うまくいった」と思いかねない。そんなレベルの国では、まともな外交も信頼の構築もむずかしい。

共同調査で、『明るい材料は、29歳以下の若年層で、相手国に「親しみを感じる」が、日韓ともに4割台に達したことだ』というが、そのあたりにかすかな期待をつなぐしかないのか。いずれにしても変わるべきは韓国側だろう。(2019・6 山崎義雄)