ババン時評 日本は韓国を知らな過ぎ?

 

韓国メディアは、日本が韓国の予想外に強い反応に驚いているとか反省の声も出ていると報じている。例えば『日本国内では今回の輸出規制について、「韓国に対する理解度が足りない人々を中心に推進されたため、韓国内でどのような波紋が広がるか予想できなかった」という批判もある。韓国をあまりにも知らなすぎたということだ』と韓国「中央日報」が報じたという。

これでは、ここまで韓国を怒らせてしまったのは韓国を知らな過ぎる日本に責任ありということになる。それなら逆に、韓国は日本をどれだけ理解しているのかを問いたい。日本から見れば、韓国は日本の言い分をまともにキャッチしない。問題の本筋から逸れた身勝手な主張を繰り返す。そして今回のように思いがけない日本の措置に逢えば驚き慌てる。窮地に追い込まれて米国に助けを求める。その点では米国に対する理解もお粗末だと言わざるを得ない。常識的に考えれば米国が日韓どちらの肩を持つわけにもいかないことは自明の理だろう。

米国の本心は、「価値観の共有や、兵たん能力の高さ、地政学的に見て、アジアに日本以外の有力なパートナーはいない」(7月某日 読売新聞 葛西啓之・JR東海名誉会長)ということだろう。そのうえで日米韓のトリオを維持するのが米国の基本的な構えだ。だから米国としては、両国で解決に努力してくれと言うしかない。間違っても韓国の肩を持つことはない。

日本は、8月中の韓国輸出優遇のホワイト国外しを決定した。韓国は報復措置を取るという。輸入制限をしても国際世論に訴えても、先に世界貿易機関WTO)の一般理事会で冷たくあしらわれたように、改めてWTOに提訴しても、韓国の思い通りにことは進まないだろう。

先に、河野太郎外相が、外務省に呼んだ南官杓(ナム・グァンピョ)韓国大使の言動を「無礼だ」と叱責した。今度は、文韓国大統領が日本に対して「盗人猛々しい」と発言した。発言者のレベルにおいても、品位のレベルにおいても、双方の発言の重大性は比較にならない。

そこまで国家の品位を傷つけられても、そんな韓国を知っている日本は怒らない。安倍首相の似顔絵にペンキを塗って荒れる韓国民のように、日本の国民は怒らない。日本は、慰安婦問題でも徴用工問題でも正当な歴史的経緯を主張し、現下の輸出規制でも本旨を淡々と主張することに徹している。こういう日本の姿勢を韓国は理解しようとしない。韓国は今の日本を知らな過ぎではないか。(2019・8・4 山崎義雄)