ババン時評 対岸の火事?韓国大統領選

ドイツ・ベルリン市の公有地に、韓国の元慰安婦を象徴する少女像が設置されている。この少女像は、韓国系市民団体が世界に設置しているものの1つである。ベルリン市は、1年の設置期間を設けてこの少女像の設置を許可していた。その設置許可期限が今月末で切れる。ところがベルリン市は、さらに1年間、この少女像の設置期間を延長するという。

このベルリンの少女像設置については、1年前にも「ババン時評 哀れ“清浄無垢”な少女像」と皮肉って書いた。これほど熱心に?日本を貶める国際宣伝をする韓国の狙いは、そして文在虎大統領の狙いは、日本による韓国統治時代の「非人道的所業」を世界に喧伝し、日本を道義的に屈服・謝罪させ、韓国の賠償要求を呑ませることだろう。

日本の歴史を断罪する残り任期のわずかな文大統領に、いまさら何を期待しても始まらないが、文氏にはもう少し韓国の歴史も反省してもらいたかった。先にもウイキペディアなどを引用して書いたが、ベトナム戦争では韓国軍兵士にレイプされてベトナム女性が生んだ子供が3万人を超えるとか、韓国慰安婦の歴史、韓国軍による「慰安所」経営の事実がある。

また英米独仏その他の国による、第1次、第2次大戦時における軍慰安婦の歴史なども知られている。要するに、慰安婦問題で、他国を一方的に責められる“清廉潔白”な国は一国もないということだ。もちろんそれが日本の免罪符になるというわけでないが、韓国も、自国の“恥部”に目を向けるべきであり、“清浄無垢”の少女像を世界の耳目にさらす哀れさ“恥ずかしさ”を知るべきだろう。

文大統領は、先の「光復節」の演説で、慰安婦や徴用工問題の解決を諦めて、次期政権への問題先送りを決めたらしいと見られている。そして時期大統領選の顔ぶれを見ると、与党「共に民主党」所属の京畿道知事の李在明(イ・ジェミョン)氏と、最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長の争いになると見られている。3番手に李在明氏と与党候補の座を争う李洛淵(イ・ナギョン)元首相が控えている。

李在明氏は、過去の飲酒運転や論文不正などに加えて、無罪にはなったが直近の公職選挙法違反があり、尹錫悦氏には、在職当時に不当な政治工作を主導した疑惑が発覚している。日本にとって凶と見られるのは当然ながら与党候補の李在明氏とそれに輪をかけた反日強硬派の李洛淵(イ・ナギョン)元首相の当選だ。日本とって韓国大統領選は対岸の火事ではない。しかし今は文政権に代わって、まともに話の通じる新政権の誕生を期待して待つしかないだろう。(2021・9・16 山崎義雄)