2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ババン時評 「地政学」から「地政戦略」へ

いま地政学が流行っているらしい。書店に行くと類書が積まれている。地政学は地理と政治の関わり合いを考察する学問だが、類書を開くと、「地政学」というより「地政戦略」と言った方が、軍事力中心のパワーでせめぎ合う現実の国際情勢・国際外交の実態に近…

ババン時評 わが国「メートル法」の夜明け

高齢者ならだれでも子供のころ、家に鯨尺があったのを覚えているだろう。その鯨尺が禁止されたのは1959年(昭和34年)。これに猛反対したのが放送作家の永六輔だ。今は商用取引以外ならメートル表示並記のかたちで使えることになっているらしい。それにして…

ババン時評 「大嘗祭」のこころ

さきごろ、天皇家の重要な祭祀「大嘗祭」が厳かに行われた。NHKテレビが最初にニュースを流した時に、神道的だとの批判があるというようなコメントがあったので、オヤと思ったが、次のニュースからはそのコメントが聞かれなかった。「待った」がかかった…

ババン時評 “付け火”にも良し悪しあり

昔の火付けには物語がある。それに比べて、世界が震撼した京都アニメ放火事件は、見当違いの恨みによるあまりに深刻で劣悪な犯罪だ。物語どころか悪夢に似た惨劇で、犯人の心理に思いを寄せるべき一片の条理もない。昔から火付けの罪は重い。池波正太郎「鬼…

ババン時評 厚労省「パワハラ規制」の矛盾

このところ、続けてお役所仕事に“半畳”を入れてきた。まず、日本人の国語力が落ちてきたという文化庁による「国語調査」、続いて文科省による高校国語教科書の“再編”案、そして今回は、厚労省による“パワハラ・マニュアル”作成の話だ。3つの共通項は「言葉」…

ババン時評 「文学と論理」を分ける?

お役所の考えることはよく分からない。先に、日本人の国語力の低下を指摘する文化庁の「国語調査」の話を書いたが、今度は“親元”の文部科学省が、いま高校で使われている国語の教科書を大きく変えようとしており、その動きが注目されている。 それは、2022年…

ババン時評 深刻な?「国語力低下」

萩生田文部科学大臣は、試験場への距離や費用でハンディを背負う遠隔地の受験生に、「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」などとテレビで語って批判を浴び、謝罪に追い込まれた。大臣は、「説明不足な発言だった」「言葉足らずだった」と反省する。…