2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ババン時評 「自己否定」と無常感

人間が死ぬとはどういうことか。哲学も宗教も文学でさえも永遠に解けない命題である。劇作家であり哲学者として知られた山崎正和さんが、最後の評論集『哲学漫想』を残して昨年(2020年8月)、86歳で亡くなった。業績は幅広いが、とりわけ論考を通じて人間に…

ババン時評 横綱の「勝負」と「品格」

名古屋場所で優勝した照ノ富士が見事、横綱に昇進した。伝達式で照ノ富士は「不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます」と口上を述べた。「横綱の品格」が重く感じられ、先輩白鳳のようにはならないという決意にすら聞こえた。NHN大相撲中継の解説…

ババン時評 中国は必ず沖縄を狙う

戦争反対は万人の願いだ。しかし国防の必要性も否定しきれない。いま中国は武力に訴えても台湾を攻略すると高言しているが、いったん事あれば、台湾と同様に、中国が沖縄を取りにくるという見方が強まっている。しかし沖縄の米軍基地問題は迷走を繰り返して…

ババン時評 美術と創造の基本はリズム

美術や芸術などの基本はリズムだという話をしたいのだが、その前に思い出話を一つ。陸自の一佐で退職したMさんは防大出の優秀な戦闘機乗りだった。気さくな人柄で酒が好きで、現役の時はよく仲間でスナック通いをしていた。気が乗ればマイクを握って時の流行…

ババン時評 現実型次期韓国政権への期待

いま中国の若者は無気力になっていると言われるが、韓国の若者は政治を動かす原動力として注目されている。ソウル、釜山の両市長選で与党候補を惨敗に追い込んだのも若い世代だった。韓国内でもすでに文在虎大統領の動向に関心は薄く、焦点は来年の韓国大統…

ババン時評 他人の褌で相撲をとる中国

先ごろ、中国の習近平主席は、中国共産党創設100周年の式典演説で、中国が世界第2位の経済大国になったのは中国共産党の歴史的業績だとして、ますます「一党支配体制」を強化する姿勢を示した。中国は今、「共産党支配」と「経済力強化」をどちらも欠かすこ…

ババン時評 夫婦同姓婚は日本の文化

今の法律では、結婚届を出すに当たって、夫婦いずれの姓を選ぶかは二者択一で、それぞれが自分の旧姓を選択して届け出ることはできない。この夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は「両性の平等」などをうたった憲法に違反するとした、都内の男女3組による…