2018-01-01から1年間の記事一覧

ババン時評 きっとよい年?100兆円予算

新年度は、初の100兆円を超える国家予算となる。増える主因は、消費税増税による消費の落ち込みを防ぐための、増税分を上回る消費者対策の大盤振る舞いだ。増税の目的は赤字財政の建て直しではなかったのか? 財政が立ち行かないから増税するというのなら、…

ババン時評 失われた「三方良し」

大方の予想に反して日産元会長のゴーン氏が再々逮捕された。今回は、オリの中で粗末な日本のオセチをいただくことになりそうだ。内外にはゴーン氏支持や同情の声もあるが、個人の損失を会社のツケにした疑いの今回は、日本の司法のルールに従っていただくし…

ババン時評 男女格差を乗り越えて

今年後半の話題に「男女格差」があった。大学入試の面接で、コミュニケーション能力が高い女子に比べて不利な男子受験生に採点上でゲタを履かせた、などと弁明した大学もあった。男女格差の国際比較で日本は149カ国中110位との調査も出た。 これは世界政治経…

ババン時評 現代という「痩せた畑」

ヒマをもてあますはずの後期高齢者になっても、あっという間に年の瀬を迎える。平成時代最後となる今年を振り返ると、金銭欲の権化、日産ゴーン氏をはじめ企業不祥事の続発、政官界の疑惑など、国の指導層の“劣化現象”が目を覆うばかりだった。 こんな年の瀬…

ババン時評 漂流するアベノミクス

企業業績が伸びているにもかかわらず、アベノミクスが期待する賃金の上昇も、企業の設備投資も伸びず、最終目的の物価上昇も見えてこない。その上、今回の入管法改正による安い労働力導入で、ますます日本の低賃金化が進む懸念もある。 ハイパーインフレが起…

ババン時評 「ボーっと生きてんじゃねーよ」

暮れになって、今年も恒例の流行語大賞が発表された。第35回になるという「ユーキャン新語・流行語大賞」だ。大賞は “氷上のお掃除屋さん” 北海道のカーリング・チームの合言葉?「そだねー」となった。 ネットをのぞいたら、「ネット記者」なる人が、「新語…

ババン時評 角さんの人間操縦術

田中角栄ブームは山を越えたかとも見えながら、いまだに“角栄本”の新刊が続く。どうやらブームとは言えない角栄研究の大転換期らしい。政治家としての業績再評価と人間角さんの見直しが2本の柱だが、類書をみると人間的魅力の再評価が中心だ。 たとえば、流…

ババン時評 「人生はカネじゃないさ」

「人生はカネじゃないさと茶をすする」。言い回しは少し違ったかもしれないが、先月の朝日川柳にあった一句である。ほろ苦い笑いと共感を誘う。もちろん日産ゴーン氏を詠んだもの。負け惜しみとも取れるが、人生を真面目に長くやってきた人間の「達観」でも…

ババン時評 どうなる?日本の飲み水

水道法改正案の成立で水道事業の民営化がスタートする。「水と安全はタダ」だという日本の“神話”は過去のものだ。今ではだれでも水と安全の確保は高くつくことを知っている。その事業を利潤追求の民間企業に任せるという。 世界には、安全な飲み水を得られな…

ババン時評 「ヘタレ」と「ポピュリズム」

一見、関係のなさそうな「ヘタレ」と「ポピュリズム」にいったいどんな関係があるのか。朝日新聞(12月2日)に、『「分を弁えろ」という論理』と題する「対談記事」が載った。記事中に、『ポピュリズム招く「ヘタレ」根性』という中見出しがあった。 記事の…

ババン時評 「人間のクズ」の正体

ある主婦に言わせると、野菜は、うまく利用すれば余すところなく料理できるという。しかし、使えない「野菜クズ」も出るのではないかと聞くと、たしかにそれはあると言い、その例として根菜類の「首」の部分を挙げる。大根の場合でいえば、菜っ葉の付け根の…

ババン時評 賜杯 貴景勝と 師 貴乃花

大相撲で、22歳の小結、貴景勝が初優勝した。まわしを取らせず素早く重い突っ張りで相手を圧倒する小気味よい相撲がフアンを魅了した。同時に、マスコミの“誘導”もあり、師 貴乃花の教えが貴景勝の口から語られ、彼の成長にとって師の教えがいかに大きかった…

ババン時評 日産ゴーン氏とガバナンス

どこから日本企業の経営姿勢がおかしくなったのか。日産自ではゴーン前会長の独裁と“所得隠し”が世界の注目を浴びている。関連の三菱自動車も含め、多くの企業で製品検査データの改ざんなどの不祥事が続く。問題はガバナンスの欠陥だろうか。 要するに、企業…

ババン時評 日産ゴーン氏の「高転び」

俗に「高転びに転ぶ」と言う。日産の前会長ゴーン氏がその例だ。得意の絶頂から見事に?転落した。「高転び」なる言葉は、織田信長を評して安国寺恵瓊が「信長は高転びに転ぶであろう」と予見したというから、古くから言われた由緒正しい?用語である。その…

ババン時評 立ち上がれ日本人

知日派で知られるマハティール・マレーシア首相は、1981年から2003年まで22年間マレーシア首相を務めて下野したが、今年5月の選挙で、自ら率いる野党連合が勝利したことから、15年ぶりに首相に返り咲いた。御年92歳。この齢で国家の指導者になった者はまずい…

ババン時評 腑に落ちる「憲法9条」に

安倍首相は、憲法改正に向けて、内閣と党の関連人事を都合よく改変した。やる気満々である。憲法学者の大半は今の自衛隊を「憲法違反」だと見る。しかしわが国は、右傾化する世界の潮流や危ない近隣諸国に取り巻かれている。自衛力を放棄して“マルはだか”の…

ババン時評 中国の呆れたバス事件

中国で、バスの乗客の高齢女性が、途中で降りたいからバスを止めろと喚いて運転手に絡んだことから運転を過ってバスが崖下に転落し、多数の死者を出すという悲惨な事故が起きた。続いて起きた別の事件では、中年男性がバス車内での喫煙を注意されたことで運…

ババン時評 “持たざる者”同士の相剋

ドイツではメルケル首相が移民政策でつまずき、党首の座を退いた。トランプ米大統領は中間選挙で上院を制し、下院では過半数に届かなかったもののなぜか“大勝利”を宣言した。米・独など民主主義のリーダー大国で、多民族化とあいまって国民の分断・分裂が深…

ババン時評 「徴用工問題」と「国家の信義」

「あの国には近代化する能力がない。朝鮮は日本に併合されるべきだ」とセオドア・ルーズベルトが言ったのは、日露戦争前の1903年である。自力でできなかったから、結局、併合して日本が近代化してあげた。大変な金を使って工業のインフラや教育のインフラを…

ババン時評 顔と心の経年変化

いかんともしがたい高齢化社会である。朝日新聞(10・30)の読者欄に、「ジタバタして人生全うしたい」という87歳翁の「声」があった。「なるようにしかならない。と言いながら結構ジタバタしている」「それでいいのかも」と言う。笑ってしまったが、見事な…

ババン時評 人間抜きの「移入労働力」?

「労働力」は機械的なパワーではない。人間の肉体に内在するパワーだ。「労働力」の受け入れ拡大は、生身の「外国人」の受け入れ拡大だ。「移民政策」の是非を性急に問うつもりはないが、それにつながる外国人労働力の流入は、近い将来、「多民政策」で日本…

ババン時評 日本人は絶滅危惧種?

性的少数者は(子供を作らないから)「生産性がない」と言った杉田水脈衆院議員が世間のバッシングを受けた。以前には誰かさんが、子供を作らない人は、老後を他人の子供の世話になることになると言ってバッシングを受けたこともある。“妄言・雑音”に関係な…

ババン時評 続いて川金ダンパー不正

先に「またまた出ましたデータ改ざん」というテーマで、KYBの耐震・制振ダンパーの検査データ改ざん事件を書いたが、続いて同業界の川金HDのデータ不正が発覚した。担当者は納期などの関係で品質がおろそかになったと謝罪した。コストと納期のムリが品…

ババン時評 またも出ましたデータ改ざん

企業のデータ改ざん事件が続く。企業不祥事の原因は、一言で言えば「人間」である。どこからわが国製造業の人間的な“ゆるみ”が始まったのだろう。今回、製品検査データの改ざんが露呈したKYB㈱は、3年前に社名変更。それ以前は、戦前からの社歴を持つ優良…

ババン時評 安倍首相の“弁論術”への疑問

前の国会で、安倍総理は、「丁寧に説明してご理解をいただく」と言った。3選を果たしても、次の国会ではまたモリカケ問題が再燃する。国民は辟易する。首相得意の“弁論術”だけで野党を説得し、国民の理解を得るのは難しい。国民の政治不信は募る一方である…

ババン時評 下手な絵を描きたい

シュレッダーで裁断されてニュースになったあの絵は、うまい絵なのだろうか。大人の絵を下手だとけなす人は多いが、子供の絵を下手だとけなす人はまずいない。子供のころいい絵、楽しい絵を描いていた人が大人になって描けなくなるのはどうしてだろう。私は…

ババン時評 社会保障の片隅で「孤立死」

第4次安倍政権は社会保障政策に力を入れるというが、忘れられているのが高齢化社会においてますます増えていく「孤立死」だ。基本的な統計さえない。低収入や生活苦や自己中心の人生観やらで「未婚」や親に寄生する「パラサイト・シングル」が増えている。彼…

ババン時評 論拠を持たない?ネット右翼

活字媒体は、書き手はもちろん読み手にもそれなりのアタマ力が要求されるだけに敬遠され、読者離れが止まらない。という話は前にも書いたが、ネット社会の「ネット右翼」の間でも、活字媒体を活用する「ネトウヨ」より、もっぱらツイートを読んで反応する「…

ババン時評 ネット社会と言論の自由

ネット社会の広がるなかで、硬派の活字媒体の低迷が続く。なかでも論壇誌は、書き手はもちろん読み手にもそれなりのアタマ力が要求されるだけに敬遠され、読者離れが止まらない。そうした論壇誌の一つが、また消えることになった。雑誌「新潮45」の休刊だ…

ババン時評 厄介な腫れ物「憲法9条」

第4次安倍改造内閣で、憲法改正推進本部長に下村博文氏が起用された。安倍首相の目指す改憲は、9条2項の「戦力不保持」に反する「戦力を持つ自衛隊」を認知しようというもの。そしてその「戦力」は、憲法上にいう「戦力」ではないと“強弁”するややこしい「戦…