ババン時評 日本人は絶滅危惧種?

性的少数者は(子供を作らないから)「生産性がない」と言った杉田水脈衆院議員が世間のバッシングを受けた。以前には誰かさんが、子供を作らない人は、老後を他人の子供の世話になることになると言ってバッシングを受けたこともある。“妄言・雑音”に関係なく日本の少子化は進む。

国の人口推計では、日本の人口は50年後に8800万人ほどになるという。晩婚化が進み、50歳まで一度も結婚したことのない女性が増えている。20歳代の女性の出生率が極端に減っている。いま40歳代になっていて、人の親となってもらいたい団塊ジュニア世代も頼みにならないらしい。この世代が婚期を逃せば事態はさらに悪くなる。

いきなりだが、人口減少がこのまま進めば、日本の人口は西暦2700年頃にたった1人になるというショッキングな推計がある。これは昨年出版された上念司著「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」にある仮説である。筆者が本気で、国立社会保障・人口問題研究所や総務省の将来人口推計データを使って独自に算出した推計だという。

それではまさに、日本人は絶滅危惧種ではないか。よもやまさかそんなことにはなるまいが、これからは、結婚しない人にも、子供をつくらない人にも、子育てに参画してもらおうという視点が大事ではないか。子どもは社会全体で育てるべきだという共通認識で制度設計をすれば、結婚や出生率の向上にも役立つだろう。大げさに言えば、総力戦で日本人の絶滅を防がなければならない時ではないか。(2018・10・30 同テーマの拡大版が山崎義雄の「ババンG」にあり)