ババン時評 勝つことより負けないこと

ロシアのウクライナ侵略で想起するのは、太平洋戦争時に、知将・井上成美中将が提唱した「新軍備計画案」だ。これは、海軍主流派の大艦巨砲主義、艦隊決戦理論を批判した上での、新しい空軍、機動部隊中心の海軍再建案だったが、上層部に握りつぶされた(永…

ババン時評 ロシア上空で反戦ビラを撒け?

これは笑えない笑い話だ。ロシアからリトアニア経由でロシアの飛び地・カリーニンググラード(バルト海沿岸)に物資を運ぶ鉄道に、リトアニアが規制を掛けると発表したら、ロシアが最初に抗議した言い分が国際法違反だというもの。国際法違反! ロシアがそれ…

ババン時評 「生活」を政争の具にするな

岸田首相は、記者会見(6・15)で、「断固として国民生活を守り抜く」と述べた。「断固として」立ち向かうテキは、いま、エネルギー関連から食料など生活必需品に広がっている物価値上がりである。首相は、現在の物価高は「ロシアによるもので、有事の価格高…

ババン時評 黒田総裁、値上げはノーです

日銀の黒田東彦総裁は、任期満了まで残り1年を切った。2013年3月に就任し、在任日数が歴代最長となり、任期は来年4月8日まで。就任早々からアベノミクスに肩入れする黒田総裁の金融緩和政策に、生活者の視点から異を唱えてきた当方としては、ウクライナ戦争…

ババン時評 看板倒れの新しい資本主義

直近のツイッターにこう書き込んだ。『ばばん爺ダヨ。岸田首相の新資本主義。「最初は成長と配分」トカ言っていたのに、「配分」政策がないと批判されたら「最低賃金1000円」案が出てきたヨ。これって新資本主義かネ。その上「骨太」政策を頼りにし始めた。…

ババン時評 歌は世につれ、世は歌につれ

今はあまり聞かれなくなったが、「歌は世につれ、世は歌につれ」という成句がある。若者が同世代の歌を聞いている分には、そんな感覚はないかもしれないが、後期高齢者ともなると、己の来し方と重ね、時代の流れの中で聞いた、そして歌った多くの歌の意味、…

ババン時評 揺れる、沖縄の“立ち位置”

沖縄返還50周年は、とりあえずはお祝いムードでやり過ごされた感がある。記念式典で、岸田首相は、在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小を進めていると言い、玉城沖縄県知事は、本土復帰時の国の約束、「沖縄を平和の島とする」目標がいまだ達成されていな…

ババン時評 日本語をダメにするデジタル

子供の頃、読んだ本で気に入った場面や挿絵などが何ページ辺りにあったか、なんとなく覚えていたものだ。そんな記憶のある人は案外多いのではないだろうか。大人になっても読んだ本の必要な個所は案外、容易に開けるものである。本という紙に定着した内容は…

ババン時評 世界の“硬化”は露の大誤算

世界が注目した、プーチン露大統領の「対独戦勝記念日」(5月9日)演説は、露の戦死者への追悼とウクライナ侵略は唯一正しい決定だったとする言い訳が中心で、その他の話も中身はウソだらけ。「戦果」の誇示も新規まき直しの「戦争」宣言もなく、赤の広場の…

ババン時評 「失言」の“土壌”は人間性

「生娘をシャブ漬けにしてやる」と言った牛丼チェーン「吉野家」の重役の話を先に書いた(『ババン時評 モノも言いようでカドが立つ』)。これはその続きのような話である。この舌禍事件の報に接した時、まず最初に思ったのは、不用意な発言をしたものだとい…

ババン時評 モノも言い様でカドが立つ

モノも言い様でカドが立つというが、「生娘をシャブ漬けにしてやる」とは穏やかでない。まさにヤクザのセリフだが、マーケティングのプロだという牛丼チェーン「吉野家」の重役(当時)の言だから驚く。これは言い様を間違えたと撤回できるレベルの発言では…

ババン時評 争いに弱い日本人のDNA

また日本の、どっちつかずの外交姿勢が露出した。ウクライナ戦争のさ中に、先ごろ(4・20)ワシントンで開かれたG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で、ロシア代表が発言する際に、英・米・カナダなどの代表が抗議のために退席したが、日本の…

ババン時評 日本は核を持つべきである

「日本は核を持つべきである」―というのは、フランスの人口歴史学者 エマニュエル・トッド氏の持論である。『文藝春秋』 2022・5月号の、『日本核武装のすすめ』と題する同氏のインタビュー記事が話題になっている。同時掲載の、安倍晋三元首相の論稿『核共…

ババン時評 劣化が進む?日米同盟

テレビ討論(BSフジ「プライムTODAI」3・22)で共産党の小池晃氏が、司会者に(ウクライナ侵攻の)「プーチン大統領を止められるか」と聞かれて「止められない」と即答していた。「ではどうするのか」と問われて、(戦争を防ぐためには)「核兵器を無くする…

ババン時評 再び迎えるか「鬼胎の時代」

「プーチンは軽く盗る気で始めけり」「プーチンの誤算独善アホめけり」―これは私が家元(弟子ナシ)の「めけり川柳」の駄句2首である。軽口はさておき、重い一句に、私の高校時代の恩師・藤田貞雄先生の一句、「長崎忌笑みたる被爆マリア像」がある。今まさ…

ババン時評 若者の夢は「モノづくり」!

いま、日本の若者が“モノづくり”に興味を示しているという嬉しい話をしたいのだが、その前にこんな話を1つ。日刊工業新聞社時代のN先輩から手紙(エッセイ)をもらった。同社は文字通り工業系の業界紙だが、業界紙とはいえ中央省庁や日銀など政府系機関の、…

ババン時評 プーチンが教える軍事強化の要

プーチン・ロシアはウソつき国家である。ウクライナの一部地域から「救援を求められた」から軍隊を派遣したと見えすいたウソをつく。ウクライナを「占領するつもりはない」といいながら首都を始め全土にミサイルを撃ち込む。随所の主要施設やついには原発施…

ババン時評 この世とあの世の境を覗けば

本題は臨死体験の話だが、その前にこんな話を一つ。つい最近、左目の手術を受けた。糖尿病性の網膜症による硝子体手術だった。以前は目玉に麻酔の注射を打ったという話も聞くが、今はそんな恐ろしいことはなく、担当医師の技量にもよるだろうが全く痛みのな…

ババン時評 「新資本主義」は誇大広告

いきなり馬鹿々々しい話だが、岸田首相の提唱する新しい資本主義についての原稿をパソコン入力していて、「成長戦略」と打ち込んだつもりが入力ミスで「成長浅慮悪」と出た。眺めているうちに、単純な成長志向は浅慮であり悪であるという「脱成長」思考に見…

ババン時評 「プッチン大統領」の狂気

「プッチン大統領」は誤字ではない。私が付けたあだ名である。プーチン大統領のロシアによるウクライナ侵攻が一頓挫しているように見える。プーチン大統領に正義はない。武力で正義が実現するわけがない。そこに誤算がある。ふところの核兵器をチラつかせて…

ババン時評 韓国 李在明候補の錯誤

よその国の話とは看過できない韓国大統領選が目前に迫る。おかしな歴史認識で物議をかもしてきた李在明(イ・ジェミョン)候補者が、ここにきて日韓関係に前向きの姿勢を見せたりするが、それはライバル候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長の票を食う…

ババン時評 自殺の連鎖とマスコミの責任

先に本欄で『ババン時評 狂気の「道連れ自殺」志願』を書いた。昨今の、自分一人では死にきれない若者が人を巻き添えにして死のうとする事件の幼稚さと狂気について、そしてマスコミの報道姿勢について書いた。これはその続きのような話である。 その折に少…

ババン時評 見当違い韓国の佐渡金山批判

イチャモン韓国が今度は佐渡金山の世界遺産申請に文句をつけてきた。日本政府による佐渡金山の世界遺産登録の推薦に対して、韓国は、佐渡金山は戦時中の「韓国人の強制労働の被害現場」だからダメだとして登録推薦の撤回を求めている。見当違いも甚だしい文…

ババン時評 狂気の「道連れ自殺」志願

友人が、ネット・エッセイで昨今の事件に見る「甘ったれ屋」を嘆いている。大阪で病院に放火して大勢を焼死させた男、東京の電車内で放火し乗客を刺傷したた男、東大前で3人を刃物で刺した高校生など、いずれも人を多数殺せば自分も死刑になる、死ねると思…

ババン時評 チラシにみる共産党の安保観

新聞の折り込み広告の中に、「日本共産党 渋谷区議団ニュース 2022年 新年号」が入っていた。そこにはこんな文言が躍っている。「改憲・大軍拡・敵基地攻撃能力にNO! 9条生かして対話による平和を 日本維新の会も改憲の国民投票を主張している」 さらに「…

ババン時評 中国で真実は「もう言えん」

先ごろ、NHKテレビの「マイケル・サンデルの白熱教室」で、日米中の若者のうち、中国のエリート青年が、中国の国民は自由主義の国と違って国を信頼している。政府の決定も早いし成果もすぐ出ると熱弁を振るっていた。おそらくこの中国青年には、国を代表して…

ババン時評 コロナ下で平常心を保つ工夫

新型コロナウイルスの拡大下で、うつ病や自殺が確実に増えている。ゆううつな気分に襲われることは誰にでもあるが、コロナ禍の閉塞状況ではいっそう、ゆううつ感が助長される。それが進行すれば「うつ病」になり、うつ病が嵩じれば、「自殺」という最悪の手…

ババン時評 年金生活者は若者のお荷物か

昨年暮れのあるテレビ座談会で識者?の一人が終わりの一言で、高齢者の医療費負担を上げるのは当然だと言い切った。同様に、今は高齢者の年金削減も当然視されている。医療費の負担増も年金減らしも、あえて言えば、国が老人の懐に手を突っ込むような仕打ち…

ババン時評 鄧小平礼賛は習近平批判?

今、中国で、改革開放政策を進めた鄧小平を評価する記事が出回っているという。中国共産党の父と呼ばれる毛沢東によって失脚させられながら、毛の死後に復帰して実質2代目の最高指導者となった鄧小平の業績や人柄を称賛する動きは、独裁体制を固める習近平国…

ババン時評 女性の自己実現と意識改革

なにかにつけて男女格差が問題にされる世の中である。たまたま昨年の衆院選で当選した女性は45人、一昨年に閣議決定された「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」施行後初の総選挙だったのだが、なんと女性の国会議員比率が9.7%となり、わずか…