ババン時評 スマホなければただのバカ

コロナ自粛でこの3年間とんと宴会がなかったが、ようやく自粛緩和の状況になってきて、3月のある日、小さな美術団体の総会・懇親会が開かれた。私の対面にお客様の立民党代議士で高名なS先生、その横に独創的な部品開発を手掛ける中小企業のI社長などが陣取…

ババン時評 不遜で不誠実で頑なな中国

林外相が訪中し、秦剛韓国外相と4時間近く会談した(4・2)。複数の大物とも会談したが、いずれも実りある会談とはならなかった。日本の外相訪中は3年3か月ぶりだというが、時期も悪かった。先ごろ、習近平が自ら、政治局員をはじめ全国民が習近平の教える「…

ババン時評 空回りの少子化・子育て対策

岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」の試案が発表された(3・31)。子育て家庭への経済的支援の強化を柱とした網羅的な政策が列挙されている。従来路線の延長に見えてどこが「異次元」なのか分からないが、児童手当の所得制限を無くして高校まで児童手当…

ババン時評 困った韓国 世論の勘違い

徴用工問題に関しては「尹大統領の本意と日本の対応」(3・12)で書いたばかりだが、その後の日韓首脳会談(3月16日)についての感想を述べれば、やはり韓国という国は難しい国だ。12年ぶりといわれる日韓首脳会談で、岸田首相と韓国の尹錫悦大統領は「戦後…

ババン時評 ガーシー元参院議員の不心得

泡沫的国会議員は他にもいなくはないだろうが、これだけずうずうしくあきれ果てた国会議員が出現したのは前代未聞だ。昨年7月の参院選で初当選以来、ただの一度も国会に顔を出さなかったガーシーこと東谷義和が、ついにこの3月15日、参院本会議における尾辻…

ババン時評 尹大統領の本意と日本の対応

今度こそ解決に向けてうまくいくのだろうか。韓国徴用工の問題は何度も取り上げてきたが、この度解決に向けて韓国尹錫悦政権が打ち出した解決策は画期的だともいわれるが、内容的には新味のない苦肉の策にも見える。原告らへの賠償金支払いを韓国政府が肩代…

ババン時評 無頼のブン屋 西山太吉逝く

数奇の運命をたどった元新聞記者・西山太吉さん死去のニュースが大きく報じられた。2月24日、北九州市の介護施設で死去、91歳だった。西山さんは元毎日新聞記者で、1971年の沖縄返還時における日米密約をすっぱ抜いた外務省機密漏えい事件で有罪となっていた…

ババン時評 日本共産党の本性チラリ

やはり共産党の正体は分かりにくい。先ごろ著書で党首の公選制を求めたジャーナリストでもある党員が除名処分を受けた。これを「言論封じだ」などとして批判した大手マスコミに、長年トップの座にある志位和夫委員長が噛みついた。「朝日に指図されるいわれ…

ババン時評 「反撃能力」が立民の試金石

政策提言をやめて批判政党に先祖返りした立憲民主党の情けなさが目にあまる。泉代表は党内左派系の壁に阻まれて憲法改正論議もままならず逃げの一手でこれまできたが、目下の政局でも自衛隊の反撃能力(敵基地攻撃能力)の問題で明快な判断を迫られながら結…

ババン時評 後絶たぬLGBTの問題発言

相変わらずLGBT(性的少数者)に関する政治家の問題発言が後を絶たない。今度は、岸田首相が信を置く荒井勝喜首相秘書官がオフレコで記者らに語った、同性カップルが「隣に住んでいたら嫌だ」などとするLGBT差別発言が問題となった。数年前には杉田水脈(み…

ババン時評 死にゆく人が求めるもの

よく「自殺する」ことの前置きに「世をはかなんで」という決まり文句が使われる。その意味は、この世を頼りなく空しく思って死を選ぶということになるのだが、これではあまりに観念的で自殺者の深刻な状況とかけ離れているように思われる。近年の自殺者数は…

ババン時評 徴用工で尹大統領韓国も迷走か

やはり韓国という国は厄介だ。このほど韓国政府が開いた元徴用工問題をめぐる公開討論会(1・12)が大もめにもめたという。韓国最高裁が日本企業に命じた賠償金の支払いを韓国政府傘下の財団が肩代わりするという尹錫悦政権の解決案に原告側が強く反発したよ…

ババン時評 中国よ学べ 台湾攻略はムリ

「かつてはほとんど考えられなかった米中開戦は、いまや安全保障の世界では当たり前の議論となった」と強調するのは、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)がこのほど発表した報告書である。時事通信によると、CSISは、中国が2026年に台湾に侵攻する…

ババン時評 「異次元の少子化対策」に異議

異次元とは、従来にない、とでもいう意味だろうが、岸田首相は、新年早々に「異次元の少子化対策」構想を打ち出した。そのために小倉少子化相を座長とする関係省庁会議を設置し、①児童手当など経済的支援の強化、②学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡…

ババン時評 慈悲の風よあまねく吹き渡れ

令和5年の年明けにこんな話はどうだろう。落語の「寿限無」は、生まれた息子にとびっきりめでたい名前をつけたいと和尚に相談する。できた名前が、寿限りなしで無限に生きる「寿限無」に始まり〈寿限無寿限無、五劫のすり切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、…

ババン時評 国民の犠牲で兵器を作るな

ロシアによる無法なウクライナ戦争があり、目前には中国、北朝鮮の脅威がある。わが国としては軍備の増強を急がなければならない。しかし国の借金体質はますます悪化している。政府・与党は、財政拡大に鈍感になっているのではないか。政府が決めた来年度予…

ババン時評 黒田日銀金融政策の変節なぜ

なぜか日銀がいきなり金利の上昇にかじを切った。これまで欧米の中央銀行が一斉に利上げに走る中で、かたくなに異次元緩和の姿勢を崩さなかった黒田東彦日銀総裁が20日の記者会見で長期金利の上限について、これまでの0.25%から0.5%への引き上げを発表した…

ババン時評 尖閣を盗られ自力奪還はムリ

このほど政府は、安保3文書を閣議決定し、「反撃能力」保有を明文化した。反撃能力で抑止力を高めることは必要だ。ところで先に「ババン時評 中国は台湾の前に尖閣を盗る」を書いたが、その折に引いた一書、『自衛隊幹部が語る台湾有事』(新潮新書)が示す…

ババン時評 AI相手の勝負に魅力はあるか

藤井聡太竜王が、20歳になった今年を竜王戦の初防衛で締めくくった。七番勝負の第6局を勝ち、4勝2敗だったが、2敗に「課題を感じた」と言う。今回も「深く考えた」という粘り強さと、一瞬の好機を見逃さない決断力を藤井竜王は兼ね備えている。趣味はAI囲…

ババン時評 中国は台湾の前に尖閣を盗る

先に「ババン時評 尖閣を守る戦力の抜本強化」を書いたが、それは、台湾有事はすなわち尖閣有事だからである。『自衛隊幹部が語る台湾有事』(新潮新書)は、元陸上幕僚長・岩田清文 元海上幕僚長・武居智久 ・元空自補給本部長・尾上定正 同志社大学客員教…

ババン時評 尖閣を守る戦力の抜本強化を

わが国の防衛力を5年以内に抜本強化するよう求める政府・有識者会議の報告書が発表された。報告書は、中国や北朝鮮を念頭に、「周辺国等が変則軌道や極超音速ミサイルを配備している」と指摘した上で、わが国が、自衛目的で相手のミサイル発射起点などを破壊…

ババン時評 要するに「分かる憲法9条」に

ようやく衆参院の憲法審査会がぼちぼち開かれるようになったが、自由討議とやらで論点の定まらない論議に終始している。亡くなった安倍元首相は、(自衛隊員に対して)「憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれ」とは言えないとして、憲法9条に自衛…

ババン時評 反撃能力Vs専守防衛の呪縛

いわゆる「反撃能力」は、先制攻撃と誤解される「敵基地攻撃能力」を自民党が無難に言い換えた用語だが、どちらにしても、そもそもは1956年当時の鳩山一郎内閣が「我が国が緊急不正の侵害を受け、攻撃が行われた場合、座して死を待つべしというのが憲法の趣…

ババン時評 「習氏の共産党宣言」第1幕

中国はいよいよ一党独裁ならぬ習近平の個人独裁国家になったようだ。第20回党大会の最終日(10月22日)、マスコミ映像で流された。閉幕式の途中、胡錦涛前総書記が係員に腕をつかまれた状態で会場から出ていく動画だ。習氏の隣に座っていた胡氏が係の者に腕…

ババン時評 人生とカネの“間合い”

須臾の間の人生行路とはいえ、思えば遠くにきたもンだ。それなりにまじめに長く生きてふと気が付けば、これまで付き合ってきた仲間内に金持ちがいない。無沙汰の知人から「お変わりありませんか」と電話があったから「ハイ貧乏しております」と答えたという…

ババン時評 変節韓国 賠償要求のホンネ

韓国は不可解な国だ。簡単に変節する国だ。慰安婦問題や徴用工問題でも時代を経て変節した。つまり、1965年の日韓基本条約締結から何十年も経ってからいきなり賠償請求を言い出した。その変節の理由は植民地支配や歴史観などに基づくものではない―という新説…

ババン時評 打ちひしがれない節約生活を

10月から一気に値上げラッシュが始まる。呑兵衛さんの懐を直撃しそうなビールやハムなどをはじめ、飲食料品の値上げが6500品超に及ぶという。値上げ幅は先月9月の2.7倍の急上昇になる。値上げする側は“値上げズレ”して値上げ発表に抵抗感がなくなっていると…

ババン時評 恥さらしな国葬狂騒曲

心配された不祥事も起こらず無事に安倍氏国葬が行われたことで多くの国民が安堵した。それにしても国葬当日まで会場周辺に押しかけた国葬反対デモは、民主主義の則を超えた所業であり、死者を弔う尊厳な儀式を踏みにじる愚行だろう。中庸の精神と儀礼を重ん…

ババン時評 テレビ桟敷は旧作時代劇

古い仲間で一杯やると #テレビ時代劇 の話がよく出る。一人が、観ているのは「必殺仕事人」「剣客商売」「銭形平次」、少し前は「鬼平犯科帳」だと言ったら全員が観ていると言って大笑いになった。一人は、碁会所に行く以外は終日有線で時代劇を見ていると言…

ババン時評 落ちたら最後「我欲の深淵」

金銭欲は人間特有のやっかいな欲望で、人生を狂わす最大級の欲望だろう。格好の見本は日産の元会長カルロスゴーンのケースだろうが、収賄1億数千万円をせしめた五輪組織委の元理事・高橋治之容疑者も相当なものである。まずは紳士服大手の「AOKIホールディ…