ババン時評 「遠慮する人 しない人」

 

総裁選に当たって、石破氏が「正直、公正」という政治理念の“高言”を遠慮したのに、安倍首相は、公示後初の演説会で「謙虚、丁寧」な政局運営を“高言”した。攻守ところを代えた発言に違和感がある。「正直、公正」「謙虚、丁寧」は、いずれも政治家の人柄、政策立案、政局運営に欠かすことのできない資質であろう。

朝日新聞などの調査にみる世論では、安倍首相の3選を望む理由のトップは、「他よりよさそうだから」であり、石破氏を選ぶ理由のトップは、「人柄や言動が信頼できる」から、となっている。ただし、両者の選択の仕方には相違がある。「他よりよさそう」は、「比較」による選択であり、「人柄や言動-」は、「評価」による選択である。

「正直、公正」と「謙虚、丁寧」、その看板がどちらの候補によりふさわしいか、自明のことのように見えるのだが、それが必ずしも?(ほとんど?)選挙結果に結びつかない。国民の不幸がここにある。

似たような話は、折にふれてHP「中高年クラブ ババンG」に書いています。乞ご高覧。